2025.09.05 「相手の立場に寄り添った言葉」
私たちの仕事は、受付や会計、電話対応など、一見すると事務的な作業の積み重ねに見えるかもしれません。しかし、その本質は患者様の声に耳を傾け、不安を取り除き、安心をお届けすることにあります。

たとえば、患者様から「待ち時間はどれくらいですか?」と尋ねられたとき、単に「30分ほどです」と答えるだけでは十分ではありません。その方が「仕事に戻らなければならない」「子どもの迎えが迫っている」といった事情を抱えているかもしれないからです。こうした背景に気づかず数字だけを伝えると、患者様は理解されていないと感じ、不安を抱えたままになってしまいます。
そこで大切なのは、まずこちらから「今日はこのあとご予定がありますか?」と問いかける姿勢です。相手の立場に寄り添った言葉をかけることで、患者様は「自分の状況を理解してもらえた」と安心し、こちらの説明も受け入れやすくなります。つまり、信頼関係の入口は「理解しようとする態度」にあるのです。
医療の現場は専門用語やシステム上の都合から、どうしても説明する側に回りがちです。しかしその前に、患者様の思いを受け止めることが必要です。まず理解する姿勢を示せば、相手の心は自然と開かれ、私たちの言葉も伝わりやすくなります。
今日の朝礼では、「第5の習慣」である“まず理解に徹し、そして理解される”について学びを共有しました。これは決して特別なことではなく、日々の小さな声かけや態度の積み重ねです。待合室での一言、受付での微笑み、電話口での丁寧な確認。その一つひとつが患者様の安心につながり、やがて信頼を築きます。
私たちはこれからも、ただ業務をこなすだけではなく、患者様一人ひとりの思いに寄り添いながら接していきたいと思います。その積み重ねが、笑顔で安心できる医療体験をつくり出し、そして私たち自身の成長にもつながっていくのだと確信しています。