2025.10.30 「真のチームワークの姿」
『7つの習慣』の第6の習慣は「シナジーを創り出す(Synergize)」です。この習慣は、単なる協力ではなく、相互理解と尊重を土台にして、個々の違いを活かしながら、1+1を3にも4にも高めるような創造的な成果を生み出す力を指します。シナジーとは、異なる意見や視点が対立するのではなく、むしろそれらを融合させることで、単独では到達できない高次の解決策やアイデアが生まれる状態です。

この考え方の根底には、多様性に対する深い理解と肯定的な態度があります。人はそれぞれ異なる価値観、経験、強みを持っています。表面的には対立しているように見える意見も、実は新たな視点や可能性の源であり、対話と傾聴を通じてその価値を見出すことができます。相手の考え方や立場を尊重し、真摯に理解しようとする姿勢が、シナジーを生み出す第一歩です。
職場においても、この習慣は非常に重要です。例えば、医療の現場では、医師、看護師、事務職員など職種を越えた連携が不可欠ですが、職種によって意見の食い違いやアプローチの違いが生じることもあります。しかし、それぞれの立場から出される意見を互いに尊重し合い、共通の目的――患者様に最善の医療を提供すること――に向けて意見を出し合えば、より良い解決策が導き出され、患者満足度やチームの連携力向上に繋がっていきます。
「シナジーを創り出す」とは、決して妥協することではありません。むしろ妥協を超えて、お互いの違いを活かし合い、より高いレベルの成果を生み出すことです。違いを恐れず、むしろ歓迎し、その中から新たな価値を創造する。それが第6の習慣の本質であり、真のチームワークの姿でもあります。

