2025.09.30 「スタッフ同士の情報共有や信頼関係の構築」
私たちの毎日は、常に多くの業務に追われています。看護の現場に限らず、医療機関では電話対応や書類整理、突発的な対応など「緊急」に見える仕事が絶えず発生します。けれども、ここで大切なのは「本当に優先すべきことは何か」を見失わないことです。
スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』の第3の習慣は「最優先事項を優先する」という考え方です。これは、目の前にある急ぎのことに流されるのではなく、長期的に重要なことを見極めて行動する姿勢を意味します。特に私たちの職場では、患者様の安全や安心を守ることが最も優先されるべきものです。例えば、カルテ入力や書類作成に集中している時でも、患者様の表情や体調の変化に気づいたなら、何よりも先に声をかけることが求められます。その一瞬の行動が、大きな安心や信頼につながるからです。

また、緊急性は低くとも、知識や技術の研鑽、スタッフ同士の情報共有や信頼関係の構築といった取り組みも、計画的に時間を確保して進めていく必要があります。こうした「重要だが緊急ではないこと」に取り組む習慣こそが、医療の質を高め、組織の成長を支える基盤となります。
忙しさに振り回されるのではなく、自ら優先順位をつけて行動すること。その積み重ねが、患者様により良いケアを提供することにつながります。さらに、スタッフ一人ひとりが主体的に行動できるようになることで、チーム全体の信頼関係が深まり、働きやすさややりがいも高まっていきます。
「最優先事項を優先する」という習慣は、単なる時間管理のテクニックではありません。患者様の笑顔を守るために、私たちが何を選び、どう行動するかを問いかけてくれる姿勢そのものです。日々の業務の中で「いま最も優先すべきことは何か」と立ち止まり考えること。それが医療の現場をより安心で信頼できるものにしていくのだと思います。

