2025.05.09 「信頼と共感を育むコミュニケーションの習慣」
日々の医療現場では、時間に追われる中で患者様との対話が形式的になってしまうことがあります。しかし、本当に相手の心に寄り添うためには、「まず理解に徹する」姿勢が不可欠です。これは、スティーブン・R・コヴィーの著書『7つの習慣』の第5の習慣であり、私たちの医療現場にとっても非常に重要な考え方です。

たとえば、患者様から「この薬は効きません」と言われたとき、すぐに別の薬を提案してしまいがちです。しかし、その前に「なぜ効かないと感じたのか」「どのような不安や期待があるのか」といった背景に耳を傾けることが大切です。そうすることで、表面的な症状ではなく、生活状況や心の状態を理解し、より適切な対応が可能となります。
また、この習慣は患者様との関係だけでなく、スタッフ同士の連携にも応用できます。業務上の伝達や依頼も、相手の立場や状況を理解しようとする姿勢を持つことで、言葉の選び方や伝え方が自然と変わり、信頼とチームワークが生まれます。
「聞く」だけでなく「心で聴く」こと。これは簡単なようでいて実践が難しい習慣ですが、相手の気持ちを受け止め、真に理解しようとする姿勢は、信頼関係の第一歩となります。医療という人と人が向き合う仕事だからこそ、この習慣を大切にしたいと、私たちは日々感じています。
今日も、患者様や仲間の声に丁寧に耳を傾けながら、共感と信頼を育む一日にしてまいります。