2025.03.20 「エンパシーリスニング」
日々の業務の中で、私たちは多くの人と関わります。患者様やご家族、同僚や上司、後輩との関係の中で、「自分の意見を理解してほしい」と思うことは誰しもあるでしょう。しかし、信頼関係を築くためには、まず相手を理解することが重要です。

今回の朝礼では、「7つの習慣」の第5の習慣である「まず理解に徹し、そして理解される」について共有しました。この習慣の本質は、相手を深く理解することが良好な人間関係や効果的なコミュニケーションの基盤になるという考え方です。多くの人は、まず自分の考えを伝え、理解してもらいたいと考えがちですが、それでは相手の心を開くことは難しく、信頼関係を築くこともできません。
特に医療の現場では、患者様やご家族の不安や悩みを理解しようとする姿勢が欠かせません。そのためには、「共感的に聞く(エンパシーリスニング)」ことが大切です。ただ話を聞くだけでなく、相手の感情や価値観を汲み取りながら耳を傾けることで、信頼関係を築くことができます。共感的な聞き方にはいくつかのステップがあります。相手の言葉を繰り返したり、言い換えたりすることで、「しっかり聞いている」という姿勢を示し、相手の気持ちを理解することができるのです。
看護の現場では、患者様との信頼関係が治療の成果にも影響を与えます。例えば、治療に不安を抱えている患者様がいる場合、ただ説明をするだけでなく、まずその不安を受け止めることが大切です。「何が心配ですか?」「どんなことが気になっていますか?」と問いかけることで、患者様は安心し、よりスムーズな医療提供につながります。また、医師や同僚とのコミュニケーションにおいても、まず相手の考えを理解しようとすることで、より良いチームワークを築くことができます。
「まず理解に徹し、そして理解される」という考え方は、医療現場だけでなく、日常のあらゆる人間関係にも活かせます。仕事だけでなく、家庭や友人との関係でも、「相手の気持ちをまず理解しよう」という意識を持つことで、より良いコミュニケーションが生まれるはずです。私たちの仕事は、ただ医療を提供するだけではなく、患者様やご家族、そして仲間と信頼関係を築きながら、より良い社会を作ることにあります。その第一歩として、今日から「まず理解に徹する」ことを意識してみてはいかがでしょうか。