2024.10.23 「相手を理解するためには聞く力が大切」
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」は、看護師として日々の業務で特に重要なスキルです。私たちは患者さんとのコミュニケーションが中心となる職務に従事しており、その信頼関係の土台となるのが「相手を理解する姿勢」です。
まず、患者さんが抱える不安や悩みを理解することが重要です。患者さんは身体的な痛みや、病気に対する恐れ、治療に対する不安を抱えて来院されます。そのような状況の中で、看護師がまずしっかりと耳を傾け、共感的に受け止めることで、患者さんは安心し、心を開いてくれます。この「共感的な傾聴」は、患者さんの表情や声のトーン、仕草などから感情を読み取る力を伴います。
次に、相手を理解するためには「聞く力」が大切です。ただ話を聞くのではなく、相手の言葉の裏にある感情や意図を汲み取るよう心掛けましょう。これには、オープンクエスチョンを使って相手に自分の気持ちを自由に話してもらう工夫が必要です。「どう感じていますか?」や「どんな不安がありますか?」といった質問を通して、相手の本音を引き出し、真剣に理解しようとする姿勢を見せることで、患者さんも安心して相談してくれます。
また、理解に徹した後に、こちらの意見やアドバイスを伝えると、患者さんはその内容を受け入れやすくなります。患者さんが「自分の気持ちを分かってもらえた」と感じた時、私たちが提案するケアや治療の方向性にも前向きに協力してくれます。このプロセスを踏むことで、患者さんとの信頼関係が深まり、治療やケアの効果も高まるのです。
私たち看護師がこの第5の習慣を日常業務に活かすことで、患者さんとのコミュニケーションの質が向上し、より信頼されるケアを提供できるようになります。まずは理解に徹し、その上で適切に自分の意見を伝え、患者さんと共により良い治療環境を築いていきましょう。